トップメッセージ

代表取締役社長 齋藤 昭生

まずは、当期の事業環境と経営成績についてお聞かせください。

7期連続の増収・増益を達成いたしました。

当期の国内経済は、雇用所得環境ならびに企業収益の改善を背景に、緩やかな回復基調にあったものの、米中貿易摩擦の長期化や海外経済の減速などの影響による輸出や生産の落ち込みも懸念され、依然として先行き不透明な状態で推移いたしました。また、現在も新型コロナウイルス感染症の世界各国への感染拡大によるサプライチェーンの寸断等の影響のみならず、世界経済全体の悪化が懸念されております。
当社グループの主要顧客であります流通小売業界におきましても、業種業態を越えた競争の激化や販売チャネルの多様化、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動や記録的な暖冬の影響に加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の影響から個人消費の減速傾向が強まり、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような環境のもと、当連結会計年度の業績につきましては、7期連続の増収・増益を達成いたしました。売上高は9期連続の増収となり、8期連続で過去最高売上を更新しました。また、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の各利益も7期連続で増益となり、いずれも5期連続で過去の最高益を更新しております。
各経営成績を、前期比と併せて申し上げますと、売上高が732百万円(2.6%)増収の28,402百万円、営業利益が498百万円(13.2%)増益の4,277百万円、経常利益が514百万円(13.4%)増益の4,343百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が376百万円(14.3%)増益の3,011百万円となり、最終利益である親会社株主に帰属する当期純利益が、初めて30億円を超過いたしました。
また、当期が最終年度であった中期経営計画の目標数値として掲げていた(売上高)営業利益率につきましては、既にその目標数値を14.0%にまで引き上げておりましたが、結果的に15.1%と、それを上回る数字を達成いたしました。
株主の皆様への配当につきましては、期初より1株あたり70円の普通配当を見込みとして発表しておりましたが、この決算を受けて、2円増額させていただき、前期比7円増配の72円とさせていただくことを予定しております。これにより、5期連続の対前期比増配となります。

主力セグメントである「国内棚卸サービス」の振り返りをお願いします。

当期も更に生産性を向上させることができ、4期前の1.5倍の水準に達しました。

連結売上高の約6割を占める主力事業である「国内棚卸サービス」のセグメント売上高は、前期比132百万円(0.7%)減少して17,228百万円となり、計画値の17,550百万円に対して、約2億円程度未達となりました。一方、セグメントの営業利益につきましては前期よりも537百万円(17.6%)増益となる3,594百万円となりました。前期、そして当期と、既存顧客のRFID導入による棚卸の内製化や棚卸回数の減少といった要因により、セグメント売上高は微減収となっておりますが、セグメントの営業利益は、前期が対前々期から24.5%の増益を記録し、当期も17.6%という高い増益率を達成いたしました。
これは、フィールドにおける生産性の向上に向けた取り組みが、引き続き奏功していることがその背景にあります。単位時間あたり数量ベースのカウント生産性が、前期は15.7%上昇したのですが、当期も12.8%上昇しました。これにより、現在の生産性は4期前のちょうど1.5倍にまで上昇しております。労働需給のひっ迫を受けて賃金制度・基本時給の改定も行い、労働単価は4期前から18%程度上昇しましたが、棚卸実施時期の繁閑格差の是正、経験者比率の向上といった取り組みが実を結んだ結果、このように高い生産性が築かれました。

中間期時点より「リテイルサポートサービス」の営業利益が大きく増加している要因を教えてください。

店舗改装等のマーチャンダイジングサービスの受注が好調でした。

「国内棚卸サービス」に次ぐ、第2の事業柱である「リテイルサポートサービス」のセグメント売上高は、前期比899百万円(12.9%)増加して8,598百万円と、計画値より約3億円程度上振れる結果となりました。これにより、連結売上高に占める割合も、セグメント調整前売上高で30.7%と、初めて30%を超えましたが、この数値は、前々期が26.8%、前期が28.3%でしたので、着実にセグメントとして成長していることがご理解いただけると思います。
また、セグメントの営業利益も前期比41百万円(8.6%)の増益である530百万円となりました。中間期の事業報告書で、このセグメントの集中補充サービスにおいて、現場の必要作業量に対して配置した作業量が上回る、“オーバークルーイング”という状況が一部で生じたため、その時点での営業利益が前年同期比で落ち込んでいる状況をご説明いたしました。この是正にむけて、「国内棚卸サービス」で培ったデータを用いた適正な人員配置等のノウハウを注入すべく、現在、その取り組みを進めております。当期、結果的に通年で当セグメントが好調であった要因は、店舗改装サービス(マーチャンダイジングサービス)において、新規顧客の獲得に成功したことと、発注店舗数が増加したことが大きかったと言えます。その意味では、セグメント内の事業ポートフォリオ効果が表れたということです。

「海外棚卸サービス」の状況についてもお話しください。

中国での減収が影響して、セグメントとしては減収・減益となりました。

「海外棚卸サービス」におきましては、セグメント売上高が、前期比130百万円(4.8%)減少して2,574百万円となり、計画値の2,706百万円を下回ることとなりました。また、セグメントの営業利益は黒字を確保いたしましたが、前期比68百万円(34.0%)減少して133百万円に留まりました。
この要因としては、海外棚卸サービスのセグメント売上高に占める比率の大きい中国において、大口顧客の受注店舗数が減少したことや、それに伴う利益の減少、労働コストの上昇、景気悪化による一部貸し倒れが発生したことが主な要因です。一方で、前期、新規に連結対象となったベトナムの子会社は、通常、黒字化には設立後数年かかるため、当期も黒字化は果たせませんでしたが、ASEAN地域全体としては新規顧客の獲得が進み、また、既存顧客の受注店舗数も増加するなど、非常に明るい展望が開けたことは大きな手応えでした。引き続き、日本からの支援も含めて、海外子会社における精度、生産性といったサービス品質の向上に努め、当社が、アジア地域を代表するリテイルサポート・カンパニーとなるべく尽力してまいります。

今期、また、これからの事業展望について教えてください。

新たなテクノロジーの導入も含め、当社の成長を加速させる取り組みを行います。

今期(2021年3月期)の業績予想につきましては、多くの企業において合理的な業績予想の算定が困難であるという理由により予想の公表を控えておりますが、当社は新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響について、5月中旬までの数字を集計したうえで今後の検証を行い、売上高につきましては前期比1.4%減収の28,000百万円、営業利益につきましては前期比8.8%減益の3,900百万円、経常利益につきましては前期比9.2%減益の3,943百万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては前期比12.4%減益の2,637百万円という業績予想を公表させていただいております。また、今期の株主の皆様への配当につきましても、当期と同じく、1株あたり72円の普通配当をさせていただく予定も併せて公表しております。
今期、そして今後の事業展開につきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念と経済活動の再開という世界的なテーマのもと、ロボティクスやスマートグラスなどの新たなテクノロジーの調査、研究、開発への取り組みを継続するとともに、棚卸サービスやリテイルサポートサービスの発祥国である米国の状況も改めてモニタリングしていく必要があると考えております。現在、米国のapollo社、BDSマーケティング社と事業に関する提携を結んでおりますが、加えて、2020年4月1日に米国カリフォルニアオフィスを開設いたしました。今後は、これらの会社とのパートナーシップを強化するとともに、北米を中心とした流通関連の情報、最新テクノロジーの情報を収集し、お客様のサポート強化と弊社の成長を加速させるための様々な取り組みについて着手することを考えてまいります。
また、新たな中期経営計画につきましても今後、立案、精査を行ったうえで適切な時期に公表したいと考えております。株主の皆様におかれましては、現状の当社グループの取り組みをご理解いただきましたうえで、今後とも更なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。