各セグメントが目標を見据え、
新中期経営計画初年度の歩みを確実なものとします

代表取締役社長 齋藤 昭生

まずは、当期の事業環境と経営成績についてお聞かせください。

5期連続の増収・増益を達成しました。

当期の国内経済は、底堅い内外需を背景に景気回復基調が続きました。当社グループの主要顧客であります流通小売業におきましても、雇用情勢や所得環境の改善による個人消費の拡大から企業収益は概ね増益傾向で推移しました。
このような環境のもと、当期の連結経営成績につきましては、5期連続の増収・増益を達成しました。そのうち、売上高は7期連続の増収となり、また6期連続で過去最高値を更新しております。一方、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、いずれも5期連続で増益となり、また3期連続で過去最高値を更新しました。期初計画との比較を含めて、具体的な金額、数字を申し上げますと、売上高は26,870百万円と、前期比で4.0%増加したものの、計画を4.2%下回るものとなりました。営業利益は3,258百万円となり、前期比で6.5%増加するとともに、計画を5.1%上回り、経常利益も3,309百万円となり、前期比で7.1%の増加、計画も5.7%上回る結果となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、2,237百万円となり、前期比で5.3%増加し、計画を4.4%上回りました。当期は中期経営計画の初年度でありましたが、売上高については計画をやや下回ったものの、利益項目については、大きく計画を上回ることとなりました。
なお、株主の皆様への期末配当につきましては、1株につき、普通配当50円に、創業40周年記念配当5円を加えて、55円とさせていただきました。

(注)当社は、2017年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しております。したがって、上記期末配当は株式分割実施前の1株当たり配当額に換算すると、1株につき110円に相当しますので、前期と比べ30円の増配となります。

利益率が上昇した要因を教えてください。

これまで取り組んできた生産性の向上が実を結びつつあります。

生産性の向上は、当社だけでなく、日本の企業が共通して抱える課題ですが、「国内棚卸サービス」のセグメントにおいて、これまで取り組んできた諸施策が着実に実を結びつつあります。具体的には、新棚卸機器の導入により、1時間あたりの数量ベースのカウント生産性が、2016年3月期を100としますと、前期は103程度であったのですが、当期はこれが115にまで飛躍的に上昇しました。また、併せて重要課題として継続的に取り組んでいる繁閑格差の是正につきましても、閑散期である第3四半期の売上に対する繁忙期である第4四半期の売上比率が、2016年3月期においては1.85倍であったものが、当期は1.59倍にまで縮小しました。循環棚卸や分散棚卸を積極的に顧客向けに提案した結果と言えますが、この繫閑格差の縮小は、繁忙期についても経験者を効率的に配置することを可能とするため、生産性の向上につながります。雇用情勢のひっ迫により労働単価は上昇しておりますが、結果的に売上総利益率につきましては、2016年3月期の28.7%、前期の28.9%が、当期は30.9%と対前期比で2ポイント上昇させることができました。次世代棚卸機器の開発に関わる投資などにより販売管理費も増加しましたが、結果的に同セグメントの営業利益率は、2016年3月期の12.2%が、当期は13.9%に上昇しております。

「リテイルサポートサービス」と「海外棚卸サービス」の状況についても教えてください。

「リテイルサポートサービス」は、利益率の高い請負業務の受注が拡大しました。
「リテイルサポートサービス」につきましては、当社における「国内棚卸サービス」に次ぐ新たな事業の柱として確立する方向性を打ち出しておりますが、当期も売上、利益ともに大きく伸長しました。リテイルサポートサービスにおける主な事業は、集中補充等の請負業務、人材派遣、そして、カスタマーサービス・チェックに区分されますが、相対的に利益率の高い請負業務の受注が伸びました。そのため、セグメントとしての売上高が前期比で20.8%増の大きな伸びとなりましたが、営業利益についてはその数値を大きく上回る39.8%の大きな増益となりました。また、2017年12月1日より株式会社ロウプを子会社化し、第3四半期より連結対象といたしました。株式会社ロウプはデータベース・マーケティングに基づく広告企画・制作を事業領域としており、当社はその「店頭企画力」を活用し、「現場を起点に、チェーンストア・小売業の戦略的課題を共に解決する」取り組みを加速させてまいります。
一方、「海外棚卸サービス」については、前期、連結子会社である全7社が黒字化となりましたが、当期においても全社の黒字が継続するとともに、売上高が前期比9.9%の増加、営業利益も4.0%の増加と、増収・増益を達成することができました。当セグメントにつきましては、韓国の連結子会社の決算期を変更することにより、同子会社が10か月決算となる影響を考慮した計画数値を発表しておりましたが、結果的に対計画ベースで、売上高が3.5%の増収、営業利益で3.4%の増益となりました。「海外棚卸サービス」において、まずは、安定した収益体制と規模拡大の土台固めが必要ですが、その目的に向かって着実に事業が行われています。
「国内棚卸サービス」の生産性の向上、そして、成長セグメントと位置づけている「リテイルサポートサービス」および「海外棚卸サービス」がそれぞれ堅調に推移した結果、グループ全体の連結ベースにおける営業利益率は12.1%、経常利益率は12.3%、親会社株主に帰属する当期純利益率は8.3%に上昇し、その全てが、過去最高の数値となっております。

2019年3月期の業績見通しをお話しください。

引き続き、売上高、各利益ともに過去最高の更新を見込んでいます。

グループ全体の連結売上高については、前期比で6.1%の増収となる28,500百万円を見込んでおり、営業利益は前期比で7.4%の増益、経常利益は前期比7.0%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比7.6%の増益を見込んでおります。
セグメント別の前期比の売上高増収率、セグメント利益増益率については、「国内棚卸サービス」が2.2%の増収、3.9%の増益、「リテイルサポートサービス」が14.0%の増収、23.5%の増益、「海外棚卸サービス」は11.7%の増収、9.0%の増益見込みとなっており、セグメント利益の増益率としては、当期に続き、「リテイルサポートサービス」の伸びが顕著となることを計画しております。2020年3月期を最終年度とした中期経営計画の2年目にあたり、最終期の経営指標の計数目標達成に向けた着実な歩みの感じられる1年にしたいと考えております。

中期経営計画にも掲げられている『働き方改革』についてお話しください。

「労働環境の整備」と「人材確保」の両輪で生産性の向上につなげます。

千葉労働局長より、違法な長時間労働について当社が是正指導を受けた2016年5月19日以降、当社はその解消に向けた取り組みを喫緊の重大な経営課題と据え、これに真摯に取り組むとともに、その状況を1年間、毎月開示してまいりました。この間、月間100時間を超える時間外労働を行った従業員は1人もおりませんでした。その後の状況をご説明いたしますと、月間の時間外労働については、80時間を超えた従業員が1人もいない状況となっており、長時間労働の解消がさらに進んでいることをご理解いただけると存じます。
この長時間労働解消に向けた取り組みとして、「労働時間管理の徹底」、「業務量の平準化」、「業務の効率化」、「社内基幹システムの改良による労働時間管理の即時化」、「新棚卸機器の前倒し導入」等を行ったことが、結果的に全社ベースでの生産性の向上につながりました。これらは主に、作業現場(フィールド内)での生産性の向上を意図したものでありました。
中期経営計画においては、作業現場(フィールド内)だけでなく、作業を管理する部署、本社機能などのフィールド外、ホワイトカラーの生産性向上をも意図した『働き方改革』にさらに踏み込みたいと考えております。具体的には、長時間労働・労働災害の防止を目的とした「働きやすい職場環境の確保」、地域限定社員・フレックス制の導入による「働き方の多様性への対応」、会社から社員に対して業務以外の活動の紹介や提案を行い、また、そのサポートも行う「ワークライフバランスの提唱」といった「労働環境の整備」を行ってまいります。
一方で、「人材確保」を目的とした諸施策として、女性・シニア層などへのアプローチも積極的に行う「人材ターゲティング」、その人材募集の掲載媒体や応募受付方法の仕組みである「採用プロセスの再構築」、魅力ある職場づくりとやる気に報いる報酬制度の構築により、優秀な人材の流出を防止する人事戦略である「リテンション」などを考えており、既にその行動を開始しています。これらは全て、結果的に生産性の向上につながるものであり、『働き方改革』の実現こそが、『生産性向上の鍵』であると考えています。

創業40周年を迎えられて、株主の皆様へひとことお願いします。

『アジアを代表するリテイルサポートグループ』へ飛躍する努力・挑戦を続けます。

当社はおかげさまで、2018年5月23日に創業40周年を迎えることができました。これもひとえに、株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーの皆様のお力添えによるものと深く感謝しております。棚卸サービスという新たなサービスを生み出し、そのパイオニア企業として『棚卸のエイジス』と呼ばれるまでになりましたが、昨年、創業40周年を前に変更した、新しいグループのロゴは、「AJIS」のイニシャルである「A」を羅針盤(コンパス)の針と見立て、これをモチーフにしたものであり、その針はしっかりと『アジアのリテイルサポートグループへの飛躍』という進むべき方向性を指しております。
株主の皆様におかれましては、この方向に歩んでいく当社グループの取り組みをご理解いただきましたうえで、今後ともさらなるご支援を賜りますようお願い申し上げます。