第8回ロスプリベンション講座

 エイジスの阿部です。
 私はロスプリベンションコンサルタントとして、お取引先各社へのコンサルタントを担当しています。
 防犯設備士、セキュリティ診断士、セキュリティプランナー、クライシスマネージャーとして、店舗の問題点や課題を発見して改善策をご提案しています。

 ここ最近、講演やデータ分析・打ち合わせなどが続いていて、店舗巡回が週1日しか出来ず、ストレスがたまり気味・・。現場から知る喜び、変化を感じる刺激に支えられていることを実感しています。

さて今回もLP(ロスプリベンション)取組事例を紹介します。

取組事例(勤務ルール)
 入退店時のルール、更衣室(ロッカー)利用ルール、休憩ルールなどを点検します。
入退店時のルールは入退店場所、方法、持ち物検査などについて詳細に定義します。
持ち物検査は就業規則にその旨を記載するなどし、運用に法的問題がないようにします。
 改善または検討が必要な事例は、
  ◇売場を通って出退勤している
  ◇ロッカーに鍵がない
  ◇ロッカーに商品を入れている
  ◇更衣室・休憩室に商品が置かれている
  ◇持ち物検査は惰性による実施となっていて牽制機能が働いていない
などがあります。

取組事例(業務ルール)
 前月に紹介した商品の動きに関するルール(仕入、売上、売変、廃棄、返品、店間移動、保管、棚卸)について、ルール一つ一つに穴が無いか点検します。
特殊なケースに穴があることが多いため十分な点検が必要です。

取組事例(防犯表示)
 防犯に関する表示物には、各社それぞれの考え方や取り組みが表れます。
特に考えも無く、表示物を活用できていないケースが散見されます。
ダメな例としては、ポスターが色あせている、他のPOPに隠れている、曲がっている、破れているなど。

 

このような状態では管理意識の低さを露呈し、逆に犯罪が増えてしまいます。
いわゆる割れ窓理論です。

表示物は「万引は犯罪(意識に訴える)」「監視カメラ作動中」「警察に通報する」「立入禁止」など10種類以上。これらを
 ◇どこに
 ◇何を防ぐために
 ◇どういう目的で
 ◇どのように
掲示するか、またメンテナンス・ルール、チェックはどうするかまで決めて運用します。

 表示物には「素材」「サイズ」「色」「言語」など作り方にもポイントがあり、掲示方法も明確に定義しなければなりません。

取組事例(万引発生時)
 不審者発見時、EASゲート発報時、万引犯発見時、万引犯捕捉時の対応などをルール化し、
それを通知、教育、ロープレ訓練まで行います。
 実際には、社内ルール作成止まり、社内通知(通達)止まり・・という企業が多いのが現実。
 万引き犯の取り扱いは各社の考え方によって異なりますが、社内教育・訓練が必要であり、その投資が必須であることは間違いありません。

メールマガジンでは書けないこともありますが、少しは参考になったでしょうか。

また皆様の取組も是非教えてください。
ご相談などありましたら、お気軽にご連絡ください。