











海外事例紹介 ”ポストコロナ”時代のリアル店施策
エイジス営業企画室の菅沼です。
”コロナショック”は、人の行動様式を変化させました。
特に大きな変化は、行動の為に人が移動することは、目的達成の絶対条件ではなく、単なる”慣習”でしかなかったことに、皆が気付いたことではないでしょうか。
「出勤する」「買い物に行く」「食事に行く」といった”コロナショック”以前には、人の移動が伴うことが常識と思われていた行動も、「感染リスクを排除する」という優先条件を付与すると、人の移動は、必ずしも絶対条件ではないことが、明らかになりました。
(本当に必要な移動以外は極力しないこと、が前提となる新たな常識が生まれました。)
店に「買い物にいく」こと自体に「リスクが存在する」と考えられるようになった”コロナショック”後の社会で、お客様にとって”利用する価値ある店”になるために必要な事とは、なんでしょうか。
海外事例を紹介しながら、考えてまいります。
<フードデリバリーサービスが主戦場のリアル店>
”コロナショック”発祥の地である中国では、アリババが運営するECスーパーマーケットである「盒馬鮮生(フーマーションシェン)」 が再び脚光を浴びています。

注文商品を売場でピッキングする従業員 ©盒馬鮮生(フーマーションシェン)
人々が外出できない環境は、生鮮食品を宅配してくれるデリバリーサービスの需要をさらに高めました。特にいままでオンラインで生鮮食品を買うことに、抵抗感のあった高齢者世代が使用し始めたことで、爆発的に人気が高まっています。
盒馬鮮生のリアル店は、オンラインで繰り返し購入してもらうだけの信頼を持つ”盒馬鮮生ブランド”を醸成するための”ショールーム兼宅配基地”と割り切っています。そのため、来店客のみターゲットとしたスーパーマーケットとは、つくりが異なります。
売場では食品の安心と新鮮さをアピールするとともに、買った食材をその場で調理してくれるエキサイティングなイートインスペース、オンライン発注すれば、店舗から3キロ以内であれば30分以内に無料宅配する仕組みを、見た目も楽しくショールーミング化することで、来店客をオンラインのロイヤルカスタマーへ変化させます。
バックヤードを持たず、狭小地でもオフィス街でも、とにかく宅配に便利な場所へこだわり出店するのも、フードデリバリーサービスを主戦場に設定しているからと推測できます。
そもそも来店しなくても”安心して買える”スーパーマーケット、狙いは常にオンラインのお客様です。
(参考:過去記事_盒馬鮮生ストアコンパリゾン)
<来店する事=エキサイティング ~オフプライスストア~>
米国では、ROSS DRESS FOR LESS(ロスドレスフォーレス)やTJMAXXといったアパレルのオフプライスストアが人気を集めています。
オフプライスストアをわかりやすく説明すると、百貨店や専門店など市場で過剰在庫となったブランド商品を買い取り、ディスカウント価格で販売する業態です。有名なデザイナーズブランドが20%~90%OFFの価格で、”宝探し感覚でGET”できることが人気を高めています。

©ROSS DRESS FOR LESS(ロスドレスフォーレス)
”コロナショック”以前では、Amazonに代表されるECサイト成長の裏で、百貨店が売上伸びず苦戦していましたが、オフプライスストアは、ECサイトの影響ほとんどなく、売上を急激に伸ばしていた業態です。
オフプライスストアが、ECサイトに打ち勝つ秘訣は、単に安価であるだけではありません。
「来店しないと、感動が始まらない店」だからです。
どんな良いブランドの“掘り出し物”が眠っているかは、店頭で探さないと誰にもわかりません。 これは強烈な来店動機と成りえています。
良いものをどこよりも安く、自ら見つけて手にする”宝探し”の感動は、店舗に行かないと体験できない。
だからお客様が入る。これはECサイトが逆立ちしてもできない、リアル店舗の優位性を活かしたコンセプトの店舗です。
”コロナショック”においては、オフプライスストアも他のリアル店と同様に、営業停止を余儀なくされ、売上に大きなマイナス影響が出ています。
一見、爆発的な成長がストップしたかのようにも見えますが、同時に”コロナショック”でさらに壊滅的な状況にあった百貨店や専門店から、”良質”な在庫を安価で大量に仕入ができたのではないか、との見方もあります。
”ポストコロナ”で、営業再開していく店舗も増えていく中、どのように業績が変化していくのか、目が離せない業態と言えるでしょう。
<レジ待ちなし+ドライブスルー ~カーブサイド・ピックアップ~>
「店舗が広すぎ、列が長く、駐車場が混んでいるので買い物には行きたくないけど、商品の安い価格は魅力的」と思っているお客様のために。
という触れ込みで、米国ウォルマートが始めたサービスが、カーブサイド・ピックアップです。
「クリック&コレクト」とも呼ばれるこのサービスは、ウォルマート2146店舗で提供されています。競合のクローガーやターゲットやホールフーズも同じ、カーブサイド・ピックアップを導入していますが、手数料4.99ドル程度を徴収している一方、ウォルマートは無料提供することで、大きな差別化を図りました。
お客様は、オンラインで購入商品を選ぶと、従業員が店内で商品をピッキング、そのまま来店客は車から降りることなく、従業員が車に商品を積み込みまでしてくれます。
”BOPIS(Buy Online Pickup In Store)”と呼ばれるピックアップロッカーサービスの進化版といえますが、店内に入ることすらリスクと考えるお客様にとって、非常に便利であり、かつレジ待ちの苦痛もなくなる一挙両得で、ストレスフリーなサービスです。
このサービスの展開で、ウォルマートは現在の顧客ターゲットから、よりアッパークラスをも、取り込もうとしているように思えます。
混み合うウォルマートの店内で買い物したくないし、その姿も他人に見られたくないが、その商品価格には大きな魅力を感じているアッパーミドル層がいると仮説を立てた上で、新規顧客層を開拓する戦術ではないでしょうか。
さらにクローガーは2020年3月、ピックアップオンリーの食品スーパーマーケットをオープンしました。新型コロナウイルス感染拡大で、食品のオンライン発注需要が急速に高まるなかで、業界の注目が集まる店舗です。
<まとめ>
海外のリアル店舗の事例を3つ紹介しましたが、如何でしたでしょうか。どの施策も共通して言えることは、
「お客様が、わが店を利用いただける動機を、いかに作るか」
「わが店は、どんなお客様をターゲットにするのか」
「お客様がより楽しく、便利で安心した買い物していただくために、どう変えるか」
この3点を真摯に突き詰め、自分の店に合った取り組みを実践している事例です。
新型コロナウィルスの影響が今後どうなるかは不透明です。しかし、今まで通りの日常は来ないことは、誰の目にも明らかです。
”ポストコロナ”にあわせて、変化するお客様の買物行動に適応した店舗改革を、いますぐ進めるべきではないでしょうか。
エイジスは、逆境下で頑張る小売店舗の”新しい”改革を、全力でサポートいたします。
「全国で組織化され、統一した品質と価格で、現地作業を請負できるプロ集団」であるエイジスは、”新しい”改革で不可欠な、店舗での作業をお手伝いします。
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