











Walmart 米国内投資額から見る既存店改装の重要性

エイジスマーチャンダイジングサービス営業企画部の菅沼です。
世界最大企業であるWalmart(Walmart.inc)この巨大リテール企業が、ここ数年どの分野にどのくらい投資しているのか。公表数値(10-K Walmart Inc.)から読み取ってみました。
Amazonと比較されることが多いWalmartの設備投資ですが、マスコミや専門誌が最も注目するポイントは、やはり旬なEコマース・BOPISなどのサプライチェーン・IT技術(ブルー)の部分です。
その投資額も巨大で常に50%を超える投資があり、とても目立ちますね。

華やかなECやITへの投資(50%超)の陰で、既存店改装(リモデル)への投資が増大している。@AJIS
その華やかなIT系投資の裏で、既存店の改装を意味するリモデル(オレンジ)へ毎年約20%以上の設備投資を継続的に実行し、増額する傾向にある事にお気づきでしょうか。
直近では32億ドル強、1ドル145円(2022年10月)として、実に年間約4,753億円が既存店改装へ投資されています。その投資額は新店(グレー)への投資額より大きく、米国内設備投資額の約30%強を占めるまで伸長しました。
新店とリモデルの投資額逆転は、米国で巨大なスーパーセンター(Su.C.)がすでに出店飽和状態であることも一因でしょう。しかし名実ともに世界最大企業のWalmartが、既存店フォーマット刷新の定期的改装(リモデル)で店舗平均年齢の若返りを図るという”チェーンストアの教科書”通りの手法へ、莫大な資金とリソースを掛けている事実は、驚きと共にWalmartがチェーンストア理論の揺るぎない実現者であることを示しています。

米国チェーン店舗平均年齢は約10年。新店から5年経過で最新フォーマットへ改装(リモデル)を実行。©AJIS
米国チェーンストアの店舗年齢は「平均10年」が目安です。当然、新店も総数にカウントされますので、新店あるいは大規模改装から6年たった店舗は改装対象となります。
その理由は明白で、競争の激しい米国市場では6年以上たった店舗のカテゴリ構成や売場では、”常に変化し続けるお客様の新しい生活様式”に対応できず陳腐化してしまい、隣の競合チェーンストアに固定客を奪われてしまうからです。
つい10年前までは、「Walmart”では”買い物したくないし、その買い物している姿を人には見られたくない」などと答えていた中~高所得層も、空前のインフレを続ける米国の消費事情に耐えられず、どんどんWalmartへ”新規客”として流れ込み、その便利さ、価格の安さ、買い物しやすさといった”絶えず進化する売場を持つWalmartの魅力”に気付いてしまいました。この流れは、しばらく留まることはないでしょう。

躍進を続けるWalmart その米国設備投資額も100億ドル超(約1.5兆円)と莫大です。 ©Walmart
「小売業は売場の良し悪しがすべて」
同じフォーマットだけでなく、異なるフォーマット間やECサイトとの熾烈な”ラインロビング合戦”を勝ち抜くには、定期的な既存店改装(リモデル)が必要不可欠であることを王者のWalmartは熟知し、華やかなDX戦略の裏で既存店改装への継続投資を、黙々と確実に行っている事実が数字から見て取れます。
一方、日本小売業の店舗平均年齢は、米国と比べとても高い傾向にあります。スーパーマーケット(S.M.)の平均年齢は15年程度、ホームセンター(H.C.)は平均年齢12年、比較的若い業界のドラッグストア(Dg.S.)でさえ、平均年齢9年を経過していると言われています。

店舗の老朽化、売場の陳腐化は、日本小売業の抱える構造問題かもしれません。©写真AC
新規出店コストが円安でどんどん高騰し、さらに消費人口が減り続ける日本市場において、従来のような旺盛な新規出店は”リスク”が大きい政策となりつつあります。高額な設備投資に見合った継続的な売上を、未知の商圏である”新店”で回収できる保証もありません。
今こそWalmartに倣い、すでに安定商圏を確立している既存店を改装することで、一人でも多くのロイヤルカスタマーを増やし、お客様一人当たりの買上点数と来店頻度の向上を図ることが重要ではないでしょうか。
エイジスは、「日本チェーンストアの店舗平均年齢を、もっと若返らせたい」と思っています。
チェーンストアの皆様が、自分たちやメーカー・ベンダー応援で作業するよりも、もっとローコストで、もっと手軽で、改装期間の売上もしっかり確保しながら、全国で素早く計画通り改装するアウトソーシングサービスが、エイジスの「新店・改装サービス」です。

新店コスト急増の円安時代、安定収益の既存店を改装した”より便利なお店”で固定客UPと来店頻度向上を狙いましょう。
貴社店舗の様々な規模の改装や、新店セットアップなど、売場づくりについてのお悩みや課題がございましたら、エイジスにぜひご相談ください。
米国APOLLO社との提携で得られた最新ノウハウ、全国で様々な店舗を改装してきた豊富な経験、毎日改装作業を実行する専任チームで、あなたのお店の改装を実行します。
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<”既存店改装による店舗年齢若返り”の重要性についての関連記事ご紹介>
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