











Newsletter from California, USA 2021年米国人気ショッピングモール前編
エイジス米国カリフォルニアオフィスのドーリングです。アメリカの最新情報とビジネス動向をお届けいたします。
ニューノーマル社会では、開放的な屋外スペースや緑のあるナチュラルなストアデザインが支持を集め、アクティビティーや体験を提供するリテーラーやモールの人気が再燃しています。
2021年に顧客エクスペリエンスにおいて高評価を得た、米国で人気のショッピングモールを前・後編の2回に分けてご紹介いたします。
・イーストン・タウン・センター(Easton Town Center)
中西部オハイオ州コロンバスにあるイーストン・タウン・センターは、映画館やレストラン街を取り囲むようにショップが広がり、一日を通して楽しめるコロンバス最大規模の屋外ショッピングモールです。
パンデミックによる影響で米国のショッピングモールの多くが苦戦した今年初頭、イーストン・タウン・センターはコロナ禍に関わらず、約570億円を投じた約2万坪の新区域をオープンし、10の新しいテナントと契約を結びました。
ギャラリー、ボウリング、家具専門店、レストラン、オフィスビルを含む新地域は、外出の機会を求めていた消費者の絶好の目的地となり、自然を活かしたオープンエアなレイアウトと顧客エクスペリエンスを重視したデザインが高い評価を得て、来場者数をすばやくパンデミック以前に戻すことに成功しました。
コロナ禍で本質を問われたイーストン・タウン・センターは、「ショッピングの目的地ではなく、社会的な目的地となる」 ことに改めて価値を置き、年間3,000万人以上が訪れ、約1,140億円を費やす大型モールとして成長中です。今後も新区域の開発や改装が控えており、さらなる発展が期待されます。
・アメリカン・ドリーム(American Dream)
ニューヨーク州マンハッタンから車で15分程のニュージャージー州イースト・ラザフォードにあるアメリカン・ドリームは、遊園地やウォーターパーク、水族館、屋内スキー場、スケートリンク、レゴランド、ミニゴルフ、映画館などのエンターテインメント施設を併設する西半球最大級の複合型ショッピングモールです。
年間約4,000万人が訪れるアメリカン・ドリームには、大観覧車を含む35種類以上のアトラクション、40以上のウォータースライダー、450以上のレストランとショップがあり、常時様々なイベントが行われ、ファンタジー、ファッション、フード、エンターテインメントすべてが揃う家族で楽しめる複合メガモールです。
2004年に着工以来、建設遅延や財務問題を乗り越え、2019年秋に段階オープンした直後にパンデミックに見舞われ、理想のスタートとは言えませんでしたが、テーマパークチケットの売上は好調で顧客満足度も非常に高く、レジャーとアミューズメント、ショッピングを同時に楽しむことが出来る新しい名所として高い評価を得ています。
70の新規テナント契約を結び、今後オープン予定の施設やエンターテインメントコンセプト、ショップ、レストランが多数控えており、さらにスケールアップしたエクスペリエンス満載のアメリカン・ドリームになりそうです。
・ギャレリア・ダラス(Galleria Dallas)
近年著しい発展を遂げるテキサス州ダラスにあるギャレリア・ダラスは、モール内のスケートリンク中央に、45万個の装飾ライトと12万個のオーナメントで装飾された豪華絢爛な約30メートルの世界一高いクリスマスツリーが登場することで有名な、年間約1,900万人が訪れるショッピングモールです。
ホリデーシーズンには元オリンピック選手やサンタクロースによるアイススケートショーが開催され、最高のクリスマス体験を提供し、地域住民に愛され続けています。
パンデミックで困難な状況に陥った人々を勇気づけるため、地元ダラスのファッショングループやデザイナー、カウボーイ、俳優とコラボレート制作したフェイスマスクのオークションイベントを行い、ホリデーをポジティブに祝うイベント 「スノーデイ・ダラス」 を5週間に渡って開催するなど、コミュニティーの活性化に積極的に取り組み、顧客エクスペリエンスの高さに定評があります。
・トスカン・ヴィレッジ(Tuscan Village)
北東部ニューハンプシャー州の南部トスカンにあるトスカン・ヴィレッジは、Live、Work、Stay、Playをテーマにした最高級のライフスタイルを提供する、約20万坪の広大な敷地を持つ複合施設です。
コンドミニアム、オフィスビル、スクール、デイケア、銀行などを備えた居住ゾーンに加え、ショップ、レストラン、スポーツ施設、フィットネス、ペットケア、エンターテインメント、アウトドアアクティビティー、キッズ施設などが集う複合モールとして、顧客エクスペリエンスに徹底的にこだわって設計され、マーケットスクエアイベントセンターは結婚式会場としても人気があります。
パンデミックにより営業時間は短縮されましたが、屋外施設の多くは閉鎖されず、規制解除された直後に開催したパーティーには約6,000人が集い、リテールスペースのリース状況はパンデミック以前より活発化しています。
現在のコンドミニアム住居率は100%で入居希望者はウェイティングリストとなっており、良質なコミュニティーを形成して地域の活性化に貢献しています。
後編へ続く。