Newsletter from California, USA 「ニューノーマルのホリデー商戦」

 エイジス米国カリフォルニアオフィスより、アメリカの最新情報とビジネス動向をお届けいたします。

 北米では、ハロウィーンが終わると、11月第4木曜日のサンクスギビングホリデー(感謝祭祝日)や12月のクリスマスに向けて本格的なホリデーシーズンに突入します。
 この時期に全米が熱狂するのが、サンクスギビング祝日の翌日金曜日に開催される伝統的なスーパーセール 「ブラック・フライデー」 です。

 eコマースでは、ブラック・フライデーの翌週月曜日にオンラインスーパーセールを行う 「サイバー・マンデー」 が定着しており、リテーラーにとって熱い商戦時期となりますが、今年はパンデミックによる変化が表れています。

  • 絶好調な “ステイ・アット・ホーム” ビジネス

 北米では、3月のパンデミック宣言以降、約8カ月が経過した今もなお、多くの人々が自宅で過ごす時間が増えたままの状態です。
 パンデミック当初に起こった食品や日用品の買い占め、トイレットペーパーやサニタイズ関連商品の品切れは解消され、ニューノーマルが定着した現在は、 「いかに自宅で快適に過ごすか」 という視点での買物が増加を続けています。

 自宅で快適にエクササイズするためのモニター付きエアロバイクとサブスクリプション型配信コンテンツを開発販売する米ペロトン(Peloton)の成長は著しく、電化製品やゲーム機器を販売する米ベスト・バイ(Best Buy)等の家電量販チェーンやGSMチェーン、ディスカウント型スーパーチェーンも売上アップが続いており、ホームインプルーブメント商品やガーデニング商品を取り扱う米ザ・ホーム・デポ(The Home Depot)、米ロウズ(Lowe‘s)等のホームセンターチェーン、ペット用品チェーン、ダラーストアチェーンも好調です。

©Peloton

 eコマースでは、ホームインテリアを幅広く取り扱うオンライン販売の米ウェイフェアー(Wayfair)や、オリジナリティあるハンドメイド商品をオンライン販売する米エッツィー(Etsy)、人間が介在しない完全オンライン型保険販売の米レモネード(Lemonade)や中古車の自動販売機と呼ばれる米カーヴァーナ(Carvana)、オンラインで完結するeラーニングやオンラインワークツール、オンライン医療、オンライン配信エンターテインメントなど、 “ステイ・アット・ホーム” を追い風にするビジネスが好調です。

©Techblitz

  • ホリデーシーズンの買物傾向

 米オラクル(Oracle)の調査によると、82%の買物客がホリデーショッピングに 「安全性」 を重視すると答え、「ひと目で分かる店舗の清潔さ」 が大切だと答えています。また、76%がコンタクトレス決済を希望し、66%がeコマースでショッピングすると答えています。

 ニューノーマルでは、 「トランスペアレンシー(透明性)」 が買物客を惹き付けるカギであり、店舗の目に見えるコロナ感染対策、商品配達トラッキングの可視化、顧客とのオープンなコミュニケーションを求める声が高まっています。

 米アドビ(Adobe)の分析予測によると、北米のホリデー商戦はオンラインショッピングが前年比33%増と予想されており、ホリデーシーズンのカーブサイドピックアップは前年比40%増と見込まれています。

 特に、スマートフォンを利用したオンラインショッピング(mコマース)が55%増と見られ、ホリデーシーズンのeコマースは2000億ドル(約21兆円)市場と予想されています。

©Agil Infoways

  • ホリデー商戦の早期スタートと期間延長

 大手ホームセンターチェーンの米ザ・ホーム・デポ(The Home Depot)は、今年のホリデーシーズンは通常と異なり、ブラック・フライデーを待たずに、11月8日から12月2日の間、対象商品が売り切れるまでセールを行っています。

 他にも、大手GSMチェーン米ウォルマート(Walmart)や米ロウズ(Lowe’s)、米ベスト・バイ(Best Buy)、米サムズ・クラブ(Sam’s Club)、米ディックス・スポーティング・グッズ(Dick’s Sporting Goods)、米コールズ(Kohl’s)などの主要チェーンも同様にホリデーセールは時期を早めて開始し、セール期間を延ばすことを発表しています。

 これは、米アマゾン(Amazon)などのeコマースリテーラーによる時期を早めたオンラインセールに対抗することに加えて、店舗を訪れる買物客の混雑を緩和して、買物客と店舗従業員の安全性に配慮する取り組みでもあります。

 ホリデーセールのマーケティングやディール広告も早い時期からプラニングして開始しており、 「パンデミック以降も売上が好調で成長を続けるリテーラーは、あらゆる対応へのアクションが早い」 ことが伺えます。

©The Home Depot

  • オムニチャネル化とシームレスな買物体験

 上記の消費傾向を参考にしながらホリデー商戦に向けた主力販売商品構成を立て、顧客の安全と利便性を考慮した取り組みやeコマース強化、コンタクトレス決済等のリアル店舗対策を行ってきたリテーラーは、ニューノーマルのホリデー商戦でも成功を収めることが想像されます。

 ホリデー商戦では、これまでに 「販売のオムニチャネル対応」 や 「シームレスな買物体験」 にどう向き合ってきたかの集大成が問われると言っても過言ではありません。

©Pacaging Strategy

 元々進んでいたデジタル化が加速されたニューノーマル世界では、リアルやデジタルという分け方の概念を取り払い、顧客が生活する場面それぞれをチャネルとして捉えてシームレスに接点を持つために 、改めて 「顧客中心の発想」 で戦略を立てることが大切なポイントだと言えるでしょう。

以上

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